「2017年卒って、ゆとり世代ですよね?」
ネットではよく見かける言葉です。
ただ、この“ゆとり”という言葉、便利なようでかなり雑に使われています。
2017年卒――つまり2016年に就職活動をして、2017年春に社会へ出た世代。
彼らは確かに「ゆとり教育」の時代を通ってきました。ですが実際には、かなり独特な時代の空気の中で育っています。
今日は、2017年卒という世代について、就活・社会背景・ネット文化なども含めて振り返ってみます。
「ゆとり世代」のど真ん中だった
2017年卒の人たちは、だいたい1993〜1994年前後の生まれです。
この頃の学生は、
- 円周率が「3」
- 土曜授業の縮小
- 総合学習
- 詰め込み教育批判
など、“ゆとり教育”の象徴みたいな時代を経験しています。
そのため、上の世代からは、
「競争に弱い」
「怒られ慣れていない」
「打たれ弱い」
みたいに言われることもありました。
でも実際には、この世代はかなり不景気の空気を見て育っています。
子どもの頃に「失われた時代」を見ている
2017年卒世代の子ども時代には、
- 就職氷河期
- リーマンショック
- 派遣切り
- ブラック企業問題
などがありました。
つまり、“のんびり育った世代”というより、
「大人になるの怖そうだな……」
という空気を見てきた世代でもあるんです。
実際、この頃から
- 安定志向
- 公務員人気
- 大企業志向
がかなり強くなります。
「夢を追え!」というより、
「とりあえず生き残れる場所へ……」
という現実感覚が強かった。
就活は「売り手市場」だった
2017年卒の特徴として大きいのがここです。
就活市場がかなり良かった。
リーマンショック後の超氷河期を抜けて、
「人手不足」が目立ち始めた時代でした。
そのため、
- 内定が比較的早い
- 複数内定も珍しくない
- 学生優位
- 企業側が頭を下げる
みたいな現象も増えていきます。
ここで上の世代との感覚差が生まれた。
氷河期世代から見ると、
「そんな簡単に内定取れるの!?」
となるわけです。
ネット文化の転換期でもあった
2017年卒くらいの世代は、かなり独特です。
- 2ちゃんねる文化
- ニコニコ動画
- mixi
- Twitter初期
- LINE普及
全部を通っています。
つまり、
「古いインターネット」と「SNS時代」の両方を知っている。
これが結構大きい。
今のような“常時炎上監視社会”になる前のネットも知っているし、
一方でSNS就活やオンライン自己演出の時代にも適応し始めた世代です。
「ゆとり」と言われ続けた世代
2017年卒世代は、学生時代からずっと
「最近の若者はゆとりだから」
と言われ続けてきました。
でも不思議なのは、その後もっと若い世代が出てくると、今度は彼らが
「最近の新人は違う」
と言い始めることです。
つまり、“ゆとり”という言葉は、実態というより「若者批判のラベル」に近い。
どの時代でも、
- 若者は甘い
- 最近の新人は弱い
- 昔はもっと厳しかった
と言われる。
これは半分、社会の伝統芸能みたいなものです。
2017年卒は「不安定さ」を知っている
外から見ると、2017年卒は恵まれて見えるかもしれません。
売り手市場。
SNS時代。
働き方改革前夜。
でも実際には、
- ブラック企業問題
- 非正規雇用不安
- メンタル不調
- 将来不安
- 終身雇用崩壊
なども強く意識していた世代です。
だから、
「会社に人生を預けるの危ないかも」
という感覚も比較的早く持っていた。
副業、転職、フリーランス志向が広がる土台も、この頃から出来始めていました。
結局、「ゆとり世代」って何だったのか
2017年卒を見ていると、“ゆとり”という言葉の曖昧さが分かります。
競争が無かったわけではない。
苦労していないわけでもない。
ただ、以前とは違う環境で育った。
それだけなんですね。
むしろ2017年卒あたりは、
- 古い価値観
- 新しい働き方
- ネット社会
- 不安定な経済
その全部の狭間にいた世代だったとも言えます。
「ゆとり」というより、“変化の境界線にいた世代”。
そう考えると、少し見え方が変わるのかもしれません。


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