編入 あるある ――大学編入は裏ルート?

編入学情報

大学編入という制度は、日本では知っている人だけが知っている「裏ルート」のような扱いを受けがちだ。大学受験そのものは広く知られているのに、「編入を目指しています」と言うと、「それって何?」から説明しなければならないことも少なくない。二年次や三年次から別の大学へ移る制度だと説明しても、「転校みたいなもの?」と返されることもある。編入経験者にとっては当たり前の言葉が、世間では意外なほど共有されていない。

編入受験を始めると、多くの人がまず「情報の少なさ」に驚く。一般入試なら参考書も予備校も体験談も大量に存在する。しかし編入試験は大学ごとに形式が違い、英語重視なのか専門科目重視なのか、あるいは面接中心なのかさえ異なる。募集人数も少なく、二人や三人しか取らない学部も珍しくない。「倍率が低いから簡単そう」と思われることもあるが、実際には少人数の枠を争うため、独特の難しさがある。

また、編入では志望理由書が非常に重要になる。「なぜ今の大学では駄目なのか」「なぜその大学で学びたいのか」を問われるからだ。その過程で、自分の過去や進路を深く振り返ることになる。普通の受験以上に、自分自身の人生について考え込む人も多い。面接では「なぜ最初からその大学を受験しなかったのですか」と聞かれることもあり、過去の失敗談を語る場のようになってしまうことすらある。

一方で、ネット上では「学歴ロンダリング」という言葉に出会うこともある。編入を否定的に語る人もいる。しかし実際には、学びたい分野が変わったり、現在の環境に違和感を抱いたり、将来の進路を見直した結果として編入を選ぶ人も多い。むしろ、一度進学した後に改めて進路を考えるからこそ、一般受験時より真剣に大学選びをしているケースも少なくない。

編入受験は孤独だとも言われる。同じ大学の友人には「別の大学へ行こうとしている」と言いづらく、周囲に相談相手がいないことも多い。情報不足のなかで、予備校のブログや合格体験記を何度も読み返す人もいる。だからこそ、たまたま出会った編入志望者同士には妙な連帯感が生まれる。少人数ゆえに、「この人たちしか仲間がいない」という感覚になるのだろう。

そして、ようやく合格しても安心とは限らない。今度は単位認定や卒業要件との戦いが始まる。「本当に二年間で卒業できるのか」と履修表を見ながら頭を抱える人もいる。受験が終わったあとにも、編入生ならではの苦労は続いていく。

編入は決して王道の進路ではない。しかし、だからこそ自分の意思で進路を選び直そうとする人々の姿が濃く表れる制度でもある。情報不足、不安、孤独感――そうしたものを抱えながらも、新しい環境を目指して勉強を続ける。その過程そのものが、編入という道の特徴なのかもしれない。

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