日本大和党・古川圭吾氏をどう理解するか

はじめに

2026.7.19 蕨駅西口 日本大和党街宣抗議
四つ目が公務執行妨害のシーンです。 主催者らは嬉しそうに携帯端末で撮影をしていました。 被疑者のプライバシーが侵害されているのを警察官は注意を一切しなかったですね。「主催者ら」 と妙に濁していますが、詳しく名前を知らない為です――。 笑って…
2011年の東京都知事選に出馬したときの古川圭吾氏

 七月十九日、蕨駅で古川圭吾県議の街頭演説を聞いた。
 演説の中心にあったのは外国人問題と反共産主義だった。
 私自身は抗議者側で活動していた立場であり、その内容に賛同したわけではない。しかし、それ以上に強く印象に残ったのは、

「なぜ介護事業を経営してきた人物が、このような政治思想に至るのだろう」
 という違和感だった。

 社会的弱者を支える仕事と、街頭で語られる国家論。
 その二つは私の中で一切、結び付かなかった。

 インターネット検索をすると、古川氏がかつて運営していたブログ「靖国で会おう!」やプロフィールが見つかった。ブログは十五年前に書かれたものだった。古い内容だが、現在の彼の活動を理解する手掛かりに思えた。

成功体験が思想の出発点

 プロフィールによれば、古川氏は高校を中退した後、コンクリート圧送業に従事し、その後独立、さらに介護事業会社を設立して経営者となっている。学生時代に不良ではなかったことや、仕事を通して人生を切り開いてきたことへの誇りもうかがえる。

 ――この経歴を見て私が感じたのは、成功体験の政治思想化だ。
 自分の自助努力で人生を切り開いた。
 怠け者は嫌いだ。
 人も国家も、不断の努力で自立しなければならない。

3.11について持論

 これが、古川氏の政治思想の中枢神経なのだろう。
 彼のブログを読んでいると、「努力」「責任」「独立」という価値観が繰り返し現れる。

 それは単なる自己啓発ではない。
 自らの人生経験を、日本という国家全体へ投影しているように見えるのである。
――対米自立。
 日米安保を破り捨てるためには、確固たる軍事力が必要だと、二〇一一年の時点で語っている。

「軍事力による対米自立」という思想

 ブログで何度も語られているのが「対米自立」である。
 古川氏は、真に独立国家であるためには、

  • 自国を守る軍事力
  • 食料自給
  • エネルギー自給

 が不可欠だと論じている。

反グローバリズムに区分される考え方

 共産党のマニュフェストについて、「軍事力がなければ日米安保を破り捨てることはできない」という趣旨の批判的議論を展開している。これは単なる政党批判ではなく、「理想だけでは国家は守れない」という現実主義を貫いている。

 国家間の衝突は「容易に起こる」という体験によって、彼の政治思想の中枢神経は「軍事力」という力点と強く結ばれている。リアリズムと呼ばれる価値観なので、余力があったら調べて欲しい。

「コロンブスの卵」のような保守

 ブログを読んでいて意外だったのは、カジノ構想やインバウンドを積極的に評価していたことだ。現在のイメージだけを見ると意外だ。

カジノに賛成していた

 私はこれを読んだとき、「コロンブスの卵」という比喩が頭に浮かんだ。
 保守という政治思想を卵に喩えたとして、その殻を割ってしまうのではない。
 卵そのものは残しながら、立たせるために必要な部分だけ殻を崩す。

 ――もしかすると古川氏は、そのような発想の持ち主なのではないか。
 目的は「日本を強くすること」

 その目的さえ達成できるのであれば、カジノでも、インバウンドでも、従来の保守が抵抗感を持ちそうな政策でも採用する。政治思想そのものを守ることが目的ではなく、対米自立が目的なのである。

なぜ介護なのか最後までわからなかった

 それでも私の違和感は完全には消えなかった。
 介護事業を経営してきた人物でありながら、ブログでも街頭演説でも福祉制度について熱心に語る場面は見当たらなかった。
 繰り返し語られるのは、
 日本――。
 自立――。
 国防――。
 反共産主義――。

 介護は仕事として取り組んできた。
 しかし、人生を通して追い続けてきたテーマは国家だった。
 少なくとも私には、そのように見えた。

 社会的弱者を支える仕事を続けてきた人物が、制度としての福祉を積極的に語るのではなく、国家論を最優先に語る。そこには彼独特の優先順位が存在しているように思える。

――国家が先、暮らしが後。
 もちろん、これは私自身の読み取りであり、古川氏本人がそのように語っているわけではない。

変わったものと、変わらなかったもの

 現在の古川氏は外国人問題を極めて重要なテーマとして扱っている。
 十五年前の関心は、エネルギー、防衛、国家の独立など、より広い国家論に向けられていた。
 私は、この変化を「思想が変わった」とは考えていない。

 むしろ、対米自立という目的は変わらず、その時代ごとに日本を弱くしている最大の要因を再考し、本人の思索対象が変化してきたのではないか。

レッテルだけでは理解できない

 私は古川氏の政治活動に賛成しているわけではない。
 街頭演説を聞いたときも、大きな違和感を覚えた。
 かといって差別主義者の一言でこの人物を理解することもできないと思われた。
 高校中退から起業家となり、介護事業を経営し、自らの成功体験を「国家自立」という思想へ拡張していった人物。

 その思想の目的は、「日本を強くしたい」という願いなのだろう。

彼にとって埼玉県は国政の要所なのだろう

 悪く言えば埼玉県を国政のテコにすることしか考えていない。

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